将来「スクール(学習塾)の経営」をしたい人が学校の教員になるメリット

スクール経営

 「いつか自分のスクールをオープンし、自分がこれまでに学んだ知識で誰かの役に立ちたい」

と考えている学生もいると思います。筆者も現在経営しているスクールを立ち上げることは、学生からの夢でした。

 しかし、ついこの間まで学生だった者がスクールをオープンしたとして、実力も実績もないのにお客様は来てくれるでしょうか?

 自分のスクールをオープンし経営していくためにはまず①教える知識、②自分の実力、③実績、④経営知識などが必要になります。

「それは大学でも学ぶことができます」と言う人がいるかもしれません。

しかし、所詮学校での学びはあくまで理論であり、実際にそれが活かせない場面はどんな業界にもあります。

 起業してしまえば助言してくれる人はいませんし、失敗すればその後の経営が悪化することさえあります。リスクを減らし、上手な経営をしていく上でも、まずは社員として下積みを積んでおくと良いでしょう。

 もしあなたがスクールのジャンルの中でも「学習塾」を経営したいのであれば、学校の教員を修行の場として選ぶことをお勧めします。

スクール(塾)経営の前に学校教員を経験する

教員を数年経験するメリット

 筆者は学生の頃から自分のスクールをオープンすることを夢見ていました。英語が苦手だった自分でも、上達させる方法を学ぶことができたからです。しかし、それはこれまで通ってきた学校では応用されていないものでした。

もし、この方法が教育に応用されていれば、「自分のように英語が苦手になる人を減らせるのではないか」と思い、自分のスクールを立ち上げることにしました。

ただそれには問題がありました。

それは、実力も十分でなければ、実績も持っていなかったことです。どんなに上達したとは言っても、当時の成績の人間なんて山ほど存在していました。さらに、学んだ方法は、まだ自分自身でしか試しておらず、誰かの「成績を伸ばすことができた」という確かな実績もありませんでした。

社会経験も少ない筆者が、実力や実績を積む場として選んだのが、中学校と高校です。「教える」という仕事において、教員よりも多くの人間に接する業種は存在しなかったからです。

今回は、筆者が独立までに経験したことをもとに、

学習塾をオープンする前に学校教員を経験しておくメリットをお話しいたします。

学校教育の仕組みや裏側、ノウハウや改善点を知ることができる

公にはならない学校の裏側を知ることができる

 学習塾を経営しようとした時に、最も大事なことは、通っていただくお客様の目線になることです。

あなたが通うとしたらどんなスクールに通いたいでしょうか?

実力がある塾、経営者の経歴が素晴らしい塾など必ず実績も考慮するのではないでしょうか?

そして、保護者なら、中学・高校の実情のを知っている人間が塾を経営しているとなれば、興味を持ってくれる可能性はグッと高まります。

現に学校の入試システムには、公にできず、教員しか知ることのできない情報が沢山あります。それらの実情を知っているだけで入試を有利に運ぶことも可能です。

スクールのジャンルでは、圧倒的に「学習塾」「予備校」が大部分を占めます。入試システムを熟知しておくことで、集客、指導の面で多いに役に立つことでしょう。

教える経験値を積むのに最高の環境

 さらに学校という場は、「教える」経験値を積む上で最も良い環境です。

学校には、成績が良い子もいれば、悪い子もいます。成績が良い子からのトリッキーな質問に対応するための知識や説明力も求められますし、成績が悪い子がなぜ落ちこぼれてしまうのかを日々観察することもできます。

そして学校には、塾に行かない生徒も大勢います。塾に通う人というのは、成績はともかく、学習に前向きな生徒です。

初めから塾に勤務してしまうと、比較的モチベーションの高い生徒しか扱わないため、指導力の幅が狭くなります。モチベーションが低い子にどのように興味を持たせ、高めてあげることができるかどうかであなたの指導者としての価値が変わってくるでしょう。

例えば、それは広報や営業活動にも良い影響を与えます。自分のスクールに興味を持たせ、魅力をわかりやすく伝えることができれば、その後の入会率を上げることにもつながります。

実力をより高める時間ができる

 教員になれたからと言って、実力がついたわけではありません。

例えば、英語教員を例に挙げると、

全国で英検®︎準1級レベルの教員は約3割、1級レベルともなると5%未満になります。

実は、英語教員は英検®︎2級レベルでも成ることができるどころか、ほとんどの教員が2級レベルなんです。

スクールをオープンする目標があるのなら、他の学校教員と専門性が同程度では話になりません。

学校では無料で教員に勉強を教わることができるにもかかわらず、わざわざお金を払って塾に通っていただくわけです。その時に、教える人間の実力が学校の教員と同程度では通う意味がありません。

塾やスクールを経営し、指導していくなら最低でも学校教員の上位5%くらいの実力がなければ、お金を払って通っていただく価値はありません。

実績を作ることができる

 学生の頃は、アルバイトで塾講師などをしていても、一人の生徒の実績を作ったと言えるほどの経験を積むことは難しいでしょう。

しかし、学校の教員ともなると、担任も経験でき、毎日生徒と接するわけなので、アルバイトの時よりも深い関わりを持つことができます。

受験期にもなれば、さらに密接に関わる機会が増えるでしょう。そうなれば実績を作ることも可能です。実際に担任の力量によってクラスの生徒の進学実績は大きく異なります。

「どのようにすれば、生徒の成績を伸ばせるのか」「どうすれば進学実績を上げることができるのか」

これらは塾やスクールを経営した場合でも共通するテーマです。

ありがたいことに、教員であるうちは何度失敗しようと痛くも痒くもありません。沢山挑戦し、沢山失敗して自分だけの正攻法を探すこともできます。

スクールビジネスでは最初の呼び込みに最も苦労しますが、教員をやっていた時の実績があれば、それを担保に入会してくれるお客様も増えることでしょう。

経営知識を学ぶ時間がある

 個人塾にありがちなことですが、

教えることには長けているのに、最も大切な「集客」ができなかったり、税金や経費の計算が雑すぎて破綻してしまうことも珍しくはありません。

塾と言っても「教える」だけが仕事ではなく、経営者としての側面も持っていなければいけません。

教員や学生時代で学ぶことが困難な分野が「経営学」です。これは学部名にもなっているほど奥が深いものです。すぐに得られ、応用できるような簡単な分野ではありません。

 少しずつで良いので、本を買ってプライベートの時間に勉強するようにしましょう。

「経営学」と「教える技術や知識」どちらが大切かといえば後者です。お客様に入会していただいても、結果が出なければ悪評につながり、経営が長続きしません。ですので大学、そして教員時代には「教える技術と知識」を高めることに尽力すると良いでしょう。経営学は週に1回程度学ぶ時間を作っていくことをお勧めします。

運が良ければ、将来のビシネスパートナーを見つけることができる

 最終的には経営者になるわけですが、ビジネスをする上で、人脈はとても大事です。世の中には人脈だけで成り立っているビジネスもあるほどです。

教員は外の世界から閉ざされた閉鎖的な職業です。他の業種の方と交流する機会は滅多にありません。

しかし、教え子たちは違います。それぞれ様々な進路に進みます。その中にはあなたのビジネスを成長させることに直結する道へ進む教え子もいます。もしその教え子が大変な恩を感じ、あなたのビジネスの成長を手助けしてくれるとしたらどうでしょう?実は著者もこのパターンで大いに助かった部分があります。

 学校で生徒を育てるという行為は、将来の自分のビジネスを成長させる投資になるということです。そう考えれば、目の前の生徒に対する思い入れの強さも変わってくるのではないでしょうか?どこでどのような出会いがあるかなんてわかりません。ただ、もしその可能性があるのなら、力を注ぐ手はないと思います。

筆者の場合はすでにこの考えを持っていたため、

「今育てているのは子供ではなく、将来のビジネスパートナー」

だと思って一生懸命手塩にかけました。

教師の考えとしては失格かもしれませんが、そもそも教員になった理由はスクール経営をするための修行を行うためであり、独立を果たした今、その投資のリターンが得られたのであれば、ビジネスとしては成功と言えるのではないでしょうか。

塾経営のために教員を経験するメリットまとめ

  • 入試システムの裏側を知ることができる
  • 教える技術や実績を積むことができる
  • 起業した時に必要となるスキルを学ぶ時間がある
  • 将来の強力なビジネスパートナーを育てることができる

 最後になりますが、

どんなことで起業する場合でも必ず成功している人はしっかりとした下積み時代を過ごしています。ラーメン屋でも浅はかな知識のまま開業し、毎年数千件も潰れているのが現状です。ビジネスは例えしっかりとした下積みを経験したとしてもうまくいかない場合だってあります。

失敗の可能性をゼロにすることはできませんが、限りなく少なくすることはできます。それが「きちんと準備をすること」です。筆者が成功していると言えるかは分かりませんが、やりたいことができ、なんとか倒産せずに運営できていますので、少なくとも失敗ではないと思っています。それも教員時代の下積みがあったからこそです。

すぐにやりたいことに手を出してしまいたい気持ちもわかります。それで成功する人もきっといるでしょう。しかし、失敗のリスクを減らし、安定した経営を求めるのなら、数年の準備が必要です。

今回は筆者がスクールビジネスの下積みとして、学校教員を選んだため、そのメリットを紹介しましたが、違う業種でのメリットもきっとあると思いますので、自分が強みにしたい業種で下積みを行うと良いでしょう。

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学校と塾では「勉強を教える」というメインの仕事は同じです。そのため、教員が塾で講師に転職したとしてもそれほどのギャップはないでしょう。 しかし、それ以外の細かな部分で仕事の違いがあります。   教師がスクールを起業しようとすると、どうしても学校では経験できない業務があります。その一つが「集客」です。 教員は何もしなくとも、お客様である生徒は自然に来てくれます。そのため、教員が「集客」を意識することはほとんどありません。学校でも広報課がありますが、基本的に中学校やイベントに参加するだけで、「集客方法」を考えることはありません。  そして集客をするには、まずターゲットを決めなければなりません。「どんな年齢でも、どんな目的でも入れる個人塾」では、包括的に生徒を募集している大手塾にお客様を取られてしまいます。 さらに、お客様自身が「自分のニーズを満たしてくれるぴったりの塾」を求めていますので、「なんでもできる塾」では印象が弱くなってしまいます。  今回は、計10年間教師として教壇に立っていた私が「語学スクールBRIDGEST【ブリジェスト】」を立ち上げるために、最初に行った「ターゲットの決め方...
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